
5月の量子セクターをひと言で表すなら「国が動いた月」です。
米政府がCHIPS・科学法に基づいて量子コンピュータ9社に総額$20億(約3,000億円)を投じる方針を発表し、保有する4銘柄が軒並み急騰しました。さらにIonQはQ1決算で売上755%増という驚異的な数字を出し、SkyWater Technology買収の株主承認も通過。ニュースが絶えない一ヶ月でした。
「これだけ材料が揃って上がらないはずがない」とは思いつつも、好決算でいったん下落するという「あるある」展開もしっかり味わいました。量子株を保有しているとこういう体験が積み重なりますね。
以下先月の記事になりますので、気になる方は参照ください。
【2026年5月】決算ラッシュで明暗!量子コンピュータ株 月次報告 - Twin Dad | 双子パパの資産形成・運用記
2026年5月時点の資産サマリ(量子株のみ)
5月31日時点
| 銘柄 | 保有株数 | 平均取得単価 | 現在値 | 損益 | 損益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| RGTI(リゲッティ) | 300株 | $2.23 | $25.54 | +$6,992.54 | +1,044.50% |
| QBTS(Dウェイブ) | 151株 | $3.85 | $30.14 | +$3,969.96 | +683.09% |
| IONQ | 110株 | $17.17 | $72.07 | +$6,038.89 | +319.72% |
| QUBT(クアンタムC) | 250株 | $4.55 | $11.96 | +$1,851.59 | +162.65% |
| 合計 | — | — | — | +$18,852.98 | — |
4銘柄合計の含み益は +$18,852.98(約300万円)、現在の評価額合計は $23,130.84(約368万円) です(換算レート:$1≒159円)。
先月と比べると、CHIPS法$20億投資発表(5月21〜22日)以降に全銘柄が一段高となり、特にRGTIは直近5営業日で+40%超という激しい動きをしました。含み益が一気に積み上がった月です。RGTI保有者としては素直にうれしい……のですが、こういう時こそ「これが続く前提」で計算しないようにしています。
今月の各銘柄の状況
RGTI(リゲッティ・コンピューティング)|+1,044.50%
今月のRGTIはQ1決算(売上+199%)、108量子ビット「Cepheus-1」のクラウド公開、そして米政府からの$1億CHIPS法支援という三段重ねの好材料が重なりました。直近5営業日では+40%超と、4銘柄の中で最も激しい値動きでした。
300株という保有量が効いて、損益は+$6,992.54とポートフォリオ最大の貢献になっています。ただし気になるのは希薄化リスクです。政府がエクイティ(株式)を取得する形での支援なので、既存株主の持分が薄まります。「上がっているうちはいい話」として流さず、この点はちゃんと頭に入れて保有を続けます。
QBTS(D-Wave量子)|+683.09%
D-Waveにとっても5月は盛りだくさんでした。量子優位性マイルストーンの達成発表、記録更新となる$33.4Mの受注残高、そして従来の量子アニーリング方式にゲートモデル型を加えたデュアルプラットフォーム戦略の発表と、話題に欠きませんでした。米政府の$1億CHIPS法支援も対象に含まれています。
Q1売上は$2.86Mと前年比で減少しましたが、受注残$33.4Mは将来売上の先行指標として読めます。Jim Cramer氏が「量子ならD-Waveがいい」と発言したことも話題になりましたが……あの人の発言はあまり株価保証にならないことで有名なので(笑)、参考程度に。
IONQ|+319.72%
5月最大のドラマはIonQでした。5月6日にQ1決算で売上高$6,467万(前年比755%増)という驚異的な数字を出したにもかかわらず、翌7日の株価は下落。典型的な「Sell the News(材料出尽くし)」です。4月に56%急騰していた分、期待が先行しすぎていた格好です。
その後、SkyWater Technology買収の株主承認を受けて+15.1%急騰し、CHIPS法発表でさらに上昇。乱高下の連続でした。「垂直統合戦略(設計から製造まで自社グループで完結する体制)」の実現に向けてコロラド州ボルダーのR&D施設も開設し、長期的な方向性は着実に固まってきています。
保有者としては「好決算でなぜ下がるの?」とため息をついた翌週に急騰するという、ジェットコースターな体験でした。
QUBT(クアンタムコンピューティングInc.)|+162.65%
QUBTにとって5月はやや複雑な月でした。Q1売上は前年比約9,000%増という驚異的な伸びを記録したにもかかわらず、米政府CHIPS法の支援9社リストに入りませんでした。「9,000%増収でも選外」というのは正直モヤモヤします。
現在値$11.96はポートフォリオ内で最も低く、含み益率も+162.65%と4銘柄で最小。5月13日に27株追加購入したのですが、その後の上昇幅はRGTI・QBTSと比べると小さく……まあ、こういう月もあります。長期保有の方針は変わりません。
今月の関連記事
今月はこんな週次記事も書いていました。あわせてどうぞ。
量子コンピュータ株:IonQ4月56%急騰と米国政策法案を読む
→ IonQの4月急騰の背景と、5月6日Q1決算前夜の見どころを解説しました。量子コンピュータ株:IonQ決算・SkyWater買収・D-Wave躍進を読む
→ 好決算でも株価が下がった「Sell the News」の構造と、SkyWater買収の意味を解説。量子コンピュータ株:IonQ合併承認で垂直統合が始動
→ SkyWater合併の株主承認通過と、Rigettiの108量子ビットクラウド公開を整理。量子コンピュータ:CHIPS法20億ドルの衝撃とIonQ・D-Wave・Rigetti
→ 今月最大のトピック。政府が量子企業の「株主」になる構造変化を解説。量子コンピュータ:NVIDIAが量子に本格参入、35億ドル企業のSPAC上場も
→ NVIDIAの量子参入とSPACラッシュから「お金の層が厚くなっている」変化を整理。IBM株に注目:5年100億ドルの量子投資計画を発表
→ IBMの自前5年100億ドル投資計画と、日本・MITへの資金拡大を解説。
2026年5月の追加投資
今月は珍しく4回に分けて買い増しました。
- 5月8日 IONQ 10株:$508.40(約8.1万円)
- 5月13日 QBTS 10株:$210.20(約3.3万円)
- 5月13日 RGTI 14株:$255.92(約4.1万円)
- 5月13日 QUBT 27株:$297.81(約4.7万円)
合計:$1,272.33(約20万円)
5月8日のIONQ購入は、Q1決算翌日の下落を受けての「押し目買い」でした。「好決算でなぜ下がる?」と首をかしげながらも、ここは拾いに行くチャンスと判断。結果的には翌週から回復し、CHIPS法発表で一段高となったので、まずまずのタイミングでした。
5月13日はQ1決算シーズンが出揃ったタイミングで、4銘柄まとめて少量ずつ買い増し。各銘柄の決算内容を確認してから動いたつもりですが、その後の急騰がここまで大きくなるとは正直思っていませんでした(苦笑)。CHIPS法の$20億発表は5月21〜22日でしたから、完全に「知らずに仕込んでいた」パターンです。
来月の方針と注目ポイント
継続保有と積み増しについては、基本スタンスを変えるつもりはありません。4銘柄とも含み益がしっかり乗っており、長期視点では引き続き保有継続が基本線です。QUBTは今月CHIPS法の支援対象から外れていましたが、事業の成長(9,000%増収)自体は本物なので、ここだけ売るという判断はしていません。
来月の注目ポイントは3つです。
ひとつはIonQ×SkyWater合併の規制承認の進捗。株主承認は通過しましたが、規制当局の審査が残っています。承認が出れば株価の次の触媒になり得ます。
ふたつめは各社へのCHIPS法資金の実際の使途発表です。「支援が決まった」から「具体的に何に使うか」の段階に移ってくると、より実態に近い評価ができるようになります。
みっつめはNVIDIA・IBMの動向。AIの覇者と量子老舗がそれぞれ本格参入の意思を示した5月、次の具体的なアクションが出るかどうかを見ています。量子セクター全体への「本物のお金」流入は、中長期で保有する4銘柄にとってもプラスに働くはずです。
相場観としては「強気を維持しつつ、ボラティリティは覚悟」というスタンスです。あくまで個人の判断ですが、今月のような急騰局面で慌てて追いかけるより、次の押し目で少しずつ積み増すほうが自分のスタイルに合っています。
最後に
今月は「米政府が量子の株主になる」という前例のない出来事があり、改めて「自分は面白い時代に投資しているな」と感じました。含み益+$18,852(約300万円)という数字は、数年前には想像もしていなかったレベルです。
もちろん、含み益はあくまで今日時点の評価額であって、来月どうなるかは誰にもわかりません。それでも長期保有の方針は変えず、コツコツ続けていきます。
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。
来月もコツコツ続けていきます。
それでは、また。