
6月の量子セクターをひと言で表すなら「政策は満開、株価は逆風」です。トランプ政権による量子行政令2本の署名、Rigetti・D-Waveへの政府資金各1億ドル確定、IonQの量子セキュリティ路線転換など、追い風となるニュースが次々出ました。それでも保有4銘柄の株価は軒並み下落。「材料は良いのに株が下がる」という、量子株らしい"あるある"を今月もしっかり味わいました。
月初にはHoneywell系Quantinuumが時価総額176億ドルという大型上場を果たし、IonQと同じトラップドイオン方式の強力な競合が登場。この上場をきっかけに資金がQuantinuumへ流れ、IonQをはじめ保有銘柄全体に売りが出た印象があります。政策のニュースが積み上がる一方で株価はそれについてこない、というねじれた1ヶ月でした。
2026年6月時点の資産サマリ(量子株のみ)
7月5日時点(データ取得日)
| 銘柄 | 保有株数 | 平均取得単価 | 現在値 | 損益 | 損益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| RGTI(リゲッティ) | 300株 | $2.23 | $17.94 | +$4,712.54 | +703.93% |
| QBTS(Dウェイブ) | 152株 | $3.97 | $22.53 | +$2,820.85 | +467.25% |
| IONQ | 110株 | $17.17 | $49.12 | +$3,514.39 | +186.06% |
| QUBT(クアンタムC) | 250株 | $4.55 | $9.05 | +$1,124.09 | +98.74% |
| 合計 | — | — | — | +$12,171.87 | — |
4銘柄合計の含み益は +$12,171.87(約194万円)、現在の評価額合計は $16,472.26(約262万円) です(換算レート:$1≒159円)。
先月(5月末:含み益+$18,852.98)と比べると、含み益は約$6,681(-35.4%)減少しました。RGTIは-29.8%、IONQは-31.9%、QBTSは-25.2%、QUBTは-24.3%と、4銘柄すべてが2桁パーセントで下落しています。5月にCHIPS法発表で一段高となった反動が出た格好で、「上がったものは下がる」を身をもって再確認した月でした。
今月の各銘柄の状況
RGTI(リゲッティ・コンピューティング)|+703.93%
RGTIは今月、米商務省からのCHIPS法最大1億ドル資金が非希薄化(新規株式発行なし)の形で確定し、HPE主導のハイブリッド量子スーパーコンピューティング・コンソーシアムへの参加も報じられました。あるアナリスト記事では「米国の量子・AI安全保障インフラの戦略的な柱になりつつある」とまで評価されています。
それだけの好材料が重なってもなお、株価は$25.54→$17.94と約-29.8%下落。5月に+1,044%まで跳ねた反動が出たとも言えますが、含み益はまだ+$4,712.54と4銘柄トップ。「材料の質」と「株価の反応」がここまで噛み合わない月は珍しく、正直戸惑いました。
QBTS(D-Wave量子)|+467.25%
D-Waveは今月、ゲートモデル型シミュレーターを公開し、2032年に100論理量子ビットを目指すロードマップを発表しました。しかし市場の反応は冷淡で、発表後に株価が-11.3%急落。現在の強みであるアニーリング型の差別化が薄れるリスクが嫌気された形です。
トランプ政権の行政令という政策の追い風が吹いた同じ週にこの急落が起きたのが印象的でした。「政策の後押し」と「個別の発表内容」は別物として市場に評価される、という当たり前のことを再確認しました。株価は$30.14→$22.53(-25.2%)まで下がっています。
IONQ|+186.06%
IonQは今月最も動きが多い銘柄でした。月初にQuantinuum上場の影響で-6.4%下落したのを皮切りに、IBMの100億ドル投資計画が「小型プレイヤーには厳しい」という論調で語られ、逆風が続きました。一方で事業面では、QKD新製品「Clavis XG Multiplex」の発表とアイルランド・ダブリンでの256量子ビット商用展開、そしてトランプ行政令での「重要な技術パートナー」への名指しと、前向きな材料も豊富でした。
「量子コンピュータ会社」から「量子セキュリティ会社」への路線転換が明確になった月でしたが、株価は$72.07→$49.12と4銘柄で最大の-31.9%下落。ニュースの量と株価の方向が逆に振れた、6月で一番モヤモヤした銘柄です。
QUBT(クアンタムコンピューティングInc.)|+98.74%
QUBTは今月も静かに拡張を続けました。Luminar Semiconductor(フォトニクス)とNuCrypt(量子暗号)の買収を発表した直後、6月24日には半導体・フォトニクス製造企業NHanced Semiconductorsの買収を完了。取得額は現金・株式で7,310万ドル、業績達成時の追加払いを含めると最大約1億4,510万ドル規模の取引です。「量子ハードの自給自足」を進める垂直統合戦略が着実に前に進んでいます。
事業の地力は積み上がっているものの、株価は$11.96→$9.05(-24.3%)と4銘柄で最小の含み益率に。CHIPS法の支援対象外という5月の悩みも解消されておらず、地味な立ち位置が続いています。それでも買収の実行力は評価したいところです。
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2026年6月の追加投資
今月の追加購入はありませんでした。4銘柄とも大きく下がった月だったので「ここは買い場では」という気持ちはあったのですが、余力がなく指をくわえて見ていました(笑)。
来月の方針と注目ポイント
継続保有と積み増しについては、基本スタンスを変えるつもりはありません。今月は株価が下がりましたが、RGTI・QBTSへの政府資金確定やIonQの新規事業(QKD)立ち上げなど、事業のファンダメンタルズはむしろ強化されています。下がったところでの積み増しは前向きに検討します。
来月の注目ポイントは3つです。ひとつはIonQ×SkyWater買収の規制承認進捗。ふたつめはRigetti・D-Waveが確定した政府資金の具体的な使途発表。みっつめはQUBTのDIRAC・NHanced統合後の販売状況です。
相場観としては「政策の裏付けは本物だが、短期的な株価はQuantinuumのような新規上場や機関投資家のポジション調整で振れやすい」というスタンスです。あくまで個人の判断ですが、下げた場面を焦らず拾っていく方針は変わりません。
最後に
今月は「政府が動き、企業が動き、それでも株価は下がる」という、量子株投資の難しさを改めて感じた月でした。含み益は+$12,171(約194万円)と5月から減りましたが、それでも4銘柄すべてがプラス圏を維持しています。
事業の中身が良くなっているのに株価がついてこない時期は、長期投資家にとってはむしろ「仕込み時」の可能性もあります。短期の値動きに振られすぎず、コツコツ続けていきます。
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。 来月もコツコツ続けていきます。 それでは、また。