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量子コンピュータ銘柄に異変?2社がNasdaqに同時上場

# 量子コンピュータ銘柄、上場ラッシュと「能力の上限」論文で激動の一週間

今週の量子コンピュータ関連ニュースは、個人投資家として見逃せない内容が揃っていました。Nasdaqへの上場を果たした新顔が2社登場し、セクター全体への資金流入が期待される一方、「量子コンピュータの計算能力には上限がある」という衝撃的な研究論文も浮上しました。短期的な興奮と中長期的な問い直しが同時に起きているこの状況を、じっくり整理してみます。


量子スタートアップのNasdaq上場ラッシュ——セクターに何をもたらすか

まず大きな話題から。今週、来週で量子コンピュータ関連の新興企業2社がほぼ同時にNasdaqへの上場を果たしました。

1社目はHorizon Quantum Computing(ティッカー:HQ)。シンガポール発のソフトウェアインフラ企業で、量子アプリケーション向けの開発基盤を手がけています。SPAC(特別目的買収会社)であるdMY Squaredとの合併を経て、2026年3月20日——つまり本日——Nasdaqでの取引を開始しました。調達規模は約1億2,000万ドル(約180億円)です。

2社目はXanadu Quantum Technologies(ティッカー:XNDU)。カナダ・トロント発の光子(フォトン)量子コンピュータ企業で、こちらも3月26日の合併クローズを経て3月27日にNasdaqとカナダのTSXに上場予定です。調達目標は約3億200万ドル(約450億円)と、Horizonを大きく上回る規模です。なお、Xanadaはリチウムイオン電池材料の発見を加速する量子アルゴリズム研究もトロント大学・カナダ国立研究機構と共同で発表しており、応用面でも注目を集めています。

なぜ今このタイミングなのか

SPAC(スペック)とは、上場を目的に設立されたペーパーカンパニーが実態のある企業と合併する形で、その企業を間接的に上場させる仕組みです。2020〜21年にブームとなりましたが、その後は規制強化や市場環境の悪化で下火になっていました。ここにきて量子セクターで再び活用されているのは、投資家の量子関連銘柄への関心が高まっていることの裏返しとも言えます。

既存銘柄への影響

IonQ・Rigetti・D-Wave・QUBTを保有している方にとって、新規上場は「競合増加」と「セクター全体への資金流入」という二面性があります。競合という観点では、HorizonはソフトウェアインフラにフォーカスしているためIonQやRigetti(ハードウェア寄り)とは直接競合しにくい面があります。XanaduはフォトニクスベースのQPUを開発しており、こちらは超伝導型(IonQ・Rigetti)や量子アニーリング型(D-Wave)とは技術アーキテクチャが異なります。一方でセクターに新たな投資マネーが流入すれば、既存銘柄の株価を押し上げる「波及効果」も期待できます。量子コンピュータというジャンルへの認知が広がることは、長期的には追い風になるでしょう。

【出典】 - https://quantumcomputingreport.com/xanadu-to-list-on-nasdaq-and-tsx-following-shareholder-merger-approval/ - https://quantumcomputingreport.com/horizon-quantum-computing-completes-merger-with-dmy-squared-set-to-trade-on-nasdaq/ - https://thequantuminsider.com/2026/03/19/xanadu-the-university-of-toronto-and-the-national-research-council-of-canada-unveil-quantum-algorithms-for-lithium-ion-battery-simulations/


「量子コンピュータには上限がある」——衝撃論文が問いかけるもの

もう一つ、投資判断に関わりうる研究が今週話題になりました。米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文が、「量子コンピュータの計算能力には厳格な上限が存在する」という主張を展開しています。

この論文が提唱するのは、量子理論の一部を修正するモデルです。現行の量子力学理論では、量子コンピュータは原理的に非常に強力な計算を実行できるとされています。しかしこの新しい理論的枠組みによれば、実際に実現可能な量子計算の規模には自然な「天井」があるとのことです。

もっとも平易な例で言うと、「鍵の複雑さには限界がある」という話に例えられます。量子コンピュータが怖いのは、現在のインターネットで広く使われている「RSA暗号」(大きな数の素因数分解が超困難であることを利用した暗号)を将来解読できるかもしれないからです。この論文が正しければ、RSA暗号は量子コンピュータに破られないかもしれない——つまり「量子の脅威」が想定より小さい可能性があります。

投資家として気になる影響

この論文が量子コンピュータ銘柄に直接影響するかというと、現時点では慎重に見るべきです。理由は二つあります。

一つ目は、これはあくまで「1本の学術論文」であり、まだ科学コミュニティ全体で検証・議論されている段階です。量子コンピュータの研究は現実の実験に基づいて積み重ねられており、理論的な上限の提案が即座に業界全体の方向を変えるわけではありません。

二つ目に、IonQ・Rigetti・D-Wave・QUBTのような企業が手がける量子コンピュータの商業的価値は「RSA解読」だけではありません。材料科学・創薬・物流最適化・金融モデリングなど多岐にわたる分野での活用が期待されており、「RSA解読ができなくても無価値」というロジックは成り立ちません。

一方で「量子コンピュータへの過剰な期待が修正される可能性」は頭の片隅に置いておく必要があります。とくに短期的な株価は「期待の先食い」で動きやすいため、こういった論文がセンセーショナルに報道される場面では、一時的な売り圧力がかかることも考えられます。

【出典】 - https://thequantuminsider.com/2026/03/19/is-rsa-safe-new-study-argues-quantum-computers-face-a-hard-ceiling/


投資家目線の考察——強気と弱気、両面から整理する

今週のニュースを総合すると、量子コンピュータセクターは「期待の高まり」と「冷静な問い直し」が同時進行している局面と言えます。

強気の根拠 Xanadaの$302M調達やHorizon上場は、機関投資家が量子セクターに本格的に資金を投じ始めているサインかもしれません。また、IonQでも今週戦略的な幹部人事が発表されており、事業体制の強化が続いています。セクター全体の認知度が上がれば、私が保有するIonQ・Rigetti・D-Wave・QUBTにも中長期的な恩恵が期待できると考えています。

弱気・注意の視点 SPAC上場は調達手段として便利な反面、バリュエーションが割高になりやすい傾向もあります。新規上場銘柄に資金が流れることで、既存銘柄から一時的に資金が抜ける可能性もゼロではありません。また「上限」論文のような懐疑的な見方は、今後も断続的に出てくるでしょう。量子コンピュータはまだ「実用化への道半ば」であることを忘れずにいたいところです。

私自身は引き続き長期保有のスタンスを変えるつもりはありませんが、短期的なボラティリティには備えておきたいと思います。投資判断はあくまでご自身でご確認ください。


まとめと来週の注目ポイント

来週はXanadu(XNDU)が実際にNasdaqで取引開始となります。上場初日の値動きと出来高は、現在の量子セクターへの投資家センチメントを測る指標になりそうです。また「上限」論文への科学者コミュニティの反応も引き続き注視していきます。

それでは、また。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は必ずご自身の判断と責任のもとで行ってください。