Twin Dad | 双子パパの資産形成・運用記

双子育児をしながら40代サラリーマンが資産1.4億円を目指す過程の記録

量子コンピュータ関連新規上場銘柄について:Zapata AI(ZPTA)

今回は新たに量子コンピュータ領域で新規でNasdaq市場へと上場を果たした銘柄について調べてみました。直近あまり新たな銘柄研究ができていませんでしたが、少しずつ時間を作って勉強をしていきたいと思います。

量子コンピュータ領域については以前も記事として取り上げていましたが、前回の記事の中では取り上げられていなかった、2024年4月にSPAC経由でNasdaq市場へと新規上場を果たしたZapata AI(ザパタ・コンピューティング)という量子コンピュータ関連銘柄についてご紹介したいと思います。

量子コンピュータ領域に着目している理由などについて以下の記事をご覧ください。

Zapata AI (ZPTA)とはどんな会社でしょうか?

今回ご紹介するZapata AI社(ティッカーシンボル:ZPTA)についてどのような会社かをまずは簡単にご紹介します。

設立当初のいわゆる祖業は量子ソフトウェア開発でしたが、現状は産業向け生成AIソフトウェア開発・サービスの提供となっており、当初から少しシフトしている状況です。

少し詳しく中身を見ていきたいと思います。

祖業:量子ソフトウェア開発

創業時には量子コンピュータ向けのソフトウェア開発をメインに事業を進めていたようですが、2023年ごろから事業領域を産業向け生成AIのソフトウェア開発やサービス提供へと移しています。

とはいえ、現在も引き続き量子コンピュータ関連の研究は継続しており、今後量子コンピュータハードウェアの実用化が近づいてきた際にはスムーズに移行がされるのではないでしょうか。

現状:産業向け生成AIソフトウェア開発・サービスの提供

現状のメイン事業としては産業向け生成AIソフトウェア開発や複雑な産業課題を解決するためのサービスの提供を行っているようです。

主な顧客としては通信、金融サービス、輸送・物流、バイオテクノロジー・製薬・ライフサイエンス、自動車OEM、高度グローバル製造、防衛・政府などがあるようですが、まだまだ規模としては小さい状況です。

産業内の課題解決については従来のやり方だけでなく、生成AIを活用する流れが今後も進んでくると思いますし、直近でもいろんな企業がこちらに挑戦している状況かと思います。

上場を果たした際にはすでにこちらの産業向け生成AI領域として事業を展開し始めてからとなります。

Zapata AI (ZPTA)の将来性はどうか?

投資を考えるうえではやはり将来性について気になるところです。

大きくは以下の観点で将来性があるか見ていくのが良いと考えています。

  • 現行事業領域の成長性
  • 事業展開されている国の幅

現在の事業領域における成長性や事業展開している国に幅があるかによってが成長するかは当たり前ですが、重要なのは今後の量子ハードウェアが実用化されるまでに並行した研究開発ができるかではないかと個人的に考えています。

ちなみに、現時点での売り上げ規模や収益については正直参考にするには小さすぎる状況ですので今回は割愛しています。

現在の事業領域の成長性

産業用生成AIと言っても、実はかなり幅が広い領域にまたがっています。

現在Zapata AIが関わっている企業を見るだけでも通信業、製造業、金融業など多様な領域となっている状況です。

これらの領域は比較的古くから存在しており、新たな仕組みやテクノロジーを取り入れて業務の効率化を進めてはいるものの、一足飛びには進まない業界だと思っています。

生成AI市場の見通しについて

生成AI市場の需要については急激な成長が見込まれており、現在のZapata AIの産業用生成AIという事業領域にとってはポジティブな状況となっているようです。

●生成AI市場の世界需要額は年平均53.3%で成長、2030年には2,110億ドルに達し、2023年の約20倍となる見込み
●生成AIの利活用分野はより一層広がる見込みで、特に製造分野の伸長が著しく、年平均54.6%で成長、2030年には507億ドルへと拡大する見通し
●生成AIの利活用の広がりはハードウェア市場にも影響を及ぼし、世界で+7.8%、日本で+6.0%程度の押し上げ効果が見込まれる

出典:JEITA記事より抜粋(外部サイト)

現時点で特定の産業に特化していない以上、今後企業として事業展開を進める方法は無数にあるように思えますので、成長性は十分あると言えるのではないでしょうか。

また、生成AIを使ったサービスやソフトウェア開発は量子コンピューティングとの相性は決して悪くないため、将来的に量子コンピュータハードウェアが実用化された際にはスムーズに移行することも期待ができます。

事業展開されている国の幅:日本企業との協業(三井住友信託銀行)

意外なことに、米国企業の小規模企業でありながらZapata AI社は日本企業である三井住友信託銀行とも協業を行っています。以下プレスリリースからの一部抜粋となります。

大手日系金融機関による市場変動に関するシナリオ生成、デリバティブ価格調整などに向けた産業向け生成AIの活用

当社が提供するアプリケーション開発プラットフォーム Orquestra®、並びにZapata AI Sense™サービス(データ分析やその他のデータに基づいたアプリケーションを補強するアルゴリズムとAIモデルのスイート)を活用し、三井住友信託銀行のマーケット事業における適用を目指した共同研究開発を行うことを目的としております。具体的な内容といたしまして、当社は金融時系列データを生成するアプリケーション開発を行い、下記例のような三井住友信託銀行によるビジネス利用を視野に目指します。

·      過去の統計とトレーダーによる見通しを組み合わせて市場変動に関するシナリオ を生成することで、トレーダーが現在よりも正確かつ迅速に意思決定すること。

·     リスク管理におけるストレステストの高度化や、デリバティブトレーダーのヘッジ行動への応用。

·     デリバティブの価格やXVAと呼ばれる評価調整額を、現在よりも効率的に計算すること。

出典:Zapata AIプレスリリースより(外部サイト)

まだ事業フェーズとしては初期段階に近いと思いますが、日本国内企業と協業をするなど、グローバルにおいて様々な機会が多くありそれらを的確にキャッチするような営業力があるように感じています。

日本国内での実績が出てくれば、ビジネスチャンスは大きく広がると考えられます。特に日本では中小の製造業がいまだに数多くありますので、その辺りのビジネスとマッチするようなサービス展開ができれば大きなチャンスもありそうです。

今後どのような展開がなされていくかは注視していきたいところです。

最後に

今回は量子コンピュータ関連の新規上場銘柄としてZapata AI(ザパタ・コンピューティング)社についてご紹介しましたがいかがでしたか?

こちらの記事を書いている時点(2024/5/2取引開始前)では上場時の株価を大きく下回り1.3ドルとなっており、上場時から考えると約70%減となっています。

ZPTA5月2日時点の株価

今後の成長に期待はしたいところですが、この規模の会社は事業が成り立たなくなることも大いにありますので、あくまで余剰資金での投資を心がけていきたいところです。

ZPTAはSPAC上場を果たしていますが、SPACについては以下をご覧ください。

それでは、また。