コア投資方針として「戦術編」でご紹介したマグニフィセント・セブン銘柄、各種指数への投資、出口戦略としての配当銘柄への投資についてご紹介しましたが、それ以外にも今後10年、20年先において大きく成長を期待したい領域・銘柄への投資も行っています。
10倍ではなく、100倍、1,000倍になる可能性を少しでも秘めた企業へも投資をしておきたいというのが成長期待銘柄への投資の考え方です。今までご紹介してきた投資の考え方とは少し異なり、減る可能性も大いにある投資となります。
今回は私が成長期待銘柄として量子コンピュータ領域を選んだ理由、保有している銘柄をご紹介したいと思います。
成長期待領域として量子コンピュータをなぜ選ぶのか?
そもそも10年、20年先のこととなりますので当然銘柄を言い当てるなんてことはほぼ不可能だということは認識しています。
そういった意味で、未来のテクノロジーとして何が世の中を変えるゲームチェンジャーとなりうるか?という観点で少し考えてみました。
候補として思いついたのは以下2つです。
- 宇宙関連
- 量子コンピュータ
宇宙関連銘柄はどうでしょう?
当初成長期待枠として考えていたのは宇宙関連銘柄でした。
日本でもiSpaceなど昨年盛り上がりを見せていたのは記憶に新しいかと思います。
今の開発競争が続けば宇宙に人や物を今よりもはるかに安価で送ることができるようになる未来はそう遠くないと思います。産業としても数兆円規模になるなどと言われているのももちろん魅力的です。
ただ、実社会の利益となるには、人や物を宇宙に送るだけでなく、宇宙から何かを持って帰ってくる必要があると考えました。そのためには、宇宙空間で採掘するための機械が必要ですし、それを宇宙空間に送って、採掘したものを持ち帰ってくる必要があります。安全に採掘する技術も当然まだないでしょう。
そう考えたときに、個人の利益になるような変革は当面起こりそうにないと感じました。
もちろん劇的な技術革新や宇宙空間でしか採取できない物質が「何か」に役立つということも否定はできませんが、その手の話は実用化される前にニュースとなると思うので、その時で十分間に合うのではないかと考えています。
一方量子コンピュータはどうでしょうか?
こちらについても、何年も前から定期的に耳にする機会があるものではないでしょうか。領域によっては現在のスパコンよりもはるかに計算速度が速いものとなると言われています。
私は技術的な部分に明るいわけではありませんので、どういう物かなどの詳細を知りたい方は以下のサイト等を参照ください。
技術的にはまだまだ課題があるというのが実情の様ですが、それは10年先、20年先を見据えた際には当然のことなので今投資する上では大きな問題ではないと思っています。
将来性の部分ではどうでしょうか?
量子コンピュータによる経済効果は2035年には6200億~1兆2700億ドルにも上るというレポートがマッキンゼーより出ているようです。(英文ですがどうぞ)
2035年は10年後です。つまりすでにビジネスでどう活用するかというフェーズに差し掛かっているような段階ですので、期待は十分持てそうです。
具体的に量子コンピュータはどういった分野で使われるのか?
計算速度が高速化する量子コンピュータが実用化されることでメリットがある領域は多様にあります。
現実での世界では実験不可能な内容をシミュレーションするニーズなどは一つ上げられると思います。また、製薬においても膨大な計算が行われますが、こちらにも活用ができるでしょう。自動運転など多様・多量なデータを瞬時で処理するような需要もあるのではないでしょうか?
富士通のレポートでは以下のような記載がありました。
量子コンピューティングの価値を有効活用できるユースケースレベル(応用分野)として、次の4つが期待されています。
- 最適化:ポートフォリオの最適化、ネットワークの最適化など
- 機械学習/AIの強化:不正検出、迅速なAIトレーニングなど
- シミュレーション:価格設定方法、材料シミュレーションなど
- 量子暗号: Shorのアルゴリズムなど。
ただし、量子アルゴリズムは、現在の古典的な暗号プロトコルを破ることによって、様々なサービスに脅威を与える可能性を考慮する必要があります。
すでに具体的なユースケースが明確になっており、宇宙関連銘柄よりは、「こう使いたい」というニーズがある程度具体化されている量子コンビューティングの方が実用化は近いと判断し、この領域の10年、20年先に期待をしようと考えました。
量子コンビューティング銘柄の選び方
量子コンピュータを開発や、量子コンピュータ関連に投資をしている企業は実はかなり多いです。それだけ、将来に期待をしているのでしょう。
国内外の企業が当然ありますが、ここでは米国株に閉じてご紹介したいと思います。
日本企業について興味がある方は別途探してみてください。
量子コンピュータ投資をしている大手企業
本業が別にあり、それとは別に研究開発をしている企業となります。特に規模が大きい数社をご紹介してみたいと思います。(米国株ティッカー:企業名となります)
- IBM:IBM
- GOOG(GOOGL):アルファベット
- MSFT:マイクロソフト
どれも大企業で当然名前を聞いたことがあるかと思います。長期間の投資を経て実用化するところまで持っていくだけの企業体力もありそうです。
ただ、私の場合マグニフィセント・セブン銘柄としてすでにGOOGLとMSFTを保有、ダウ平均を通してIBMも一定量投資をしているため、個別で積み増すことはしない予定です。
上記以外にもNVDA、AMZN、METAなども記事によっては紹介されていたりもしますが、同様にマグニフィセント・セブン銘柄ですので、この領域に特化しての投資という観点では見送りたいと思います。(もちろん基本戦略としては買います)
以下はNasdaqの記事です。上記銘柄が紹介されていますので、英語ですが、参考にどうぞ。
量子コンピュータデバイス・ソフトウェア開発をしている小型企業
規模としては上記のマグニフィセント・セブン銘柄やIBMと比べて小柄ですが、専業として量子コンピュータのハードウェアやソフトウェアを開発している企業をご紹介します。
- IONQ:IONQ
- RGTI:Rigetti Computing
- QBTS:D-Wave Quantum
- ARQQ:Arqit Quantum
- QUBT:Quantum Computing
それぞれがどういった企業かなどについては、より詳しく解説されているサイトがありますので参照していただければと思います。
また、上記以外にもいくつも量子コンピュータ関連銘柄はありますので、興味がある方はぜひ探してみてください。
この手の先端テクノロジー関連はやはりどうしても日本語では少し情報が古いことが多いですので、ぜひ英語で探してみることをお勧めします。
最近NASDAQへと上場をはたした量子コンピューター関連企業についての記事は以下をご覧ください。
成長期待枠として保有している量子コンピュータ関連銘柄のご紹介
私が成長期待枠として保有している米国株の量子コンピュータ関連銘柄は先ほどご紹介した小型銘柄のうち以下となります。
- IONQ:IONQ
- RGTI:Rigetti Computing
- QBTS:D-Wave Quantum
- QUBT:Quantum Computing
ポートフォリオ全体のうちわずか2%ほどになります。右下の方の上からオブジェクトをかぶせていない部分となりますが、小さすぎて銘柄名すら読めないですね、、、
こちらについては積極的に多額を投入するというよりは、少額を少しずつ入れていくような形を考えています。いつか大きく成長する銘柄が1つでも含まれていれば良いなと期待しているところです。
また、追加で量子コンピュータ関連の指数、投資信託、ETFについても現状の情報を整理した記事を書きましたので、参考にしてください。
量子コンピューター関連の指数、投資信託、ETFの現状 - Twin Dad | 双子パパの資産形成・運用記
最後に
量子コンピューティング領域を選んだ理由、関連大型株、専業小型株、私自身が保有している銘柄をご紹介してきました。
この領域自体が大きく成長して実用化されるのはほぼ間違いないとは思いますが、私が保有している銘柄が生き残れるかはまた別の話になるかと思っています。
今後これらの銘柄がどうなったかなどについては、月々の運用状況の中でもご紹介させていただきます。
量子コンピュータ関連はいわゆる戦略に則った投資ではありませんが、運用資産の一部ではありますので、資産全体の中での定期的な確認を行っていく必要があります。
運用資産の確認・分析については以下の記事を参照してみてください。
最後になりますが、こちらの記事では海外の量子コンピュータ関連銘柄を取り上げていましたが、国内の関連銘柄や市場規模、展望についてもまとめていますので、参考にしてみてください。
日本国内の量子コンピュータ関連銘柄及び市場規模について - Twin Dad | 双子パパの資産形成・運用記
それでは、また。