投資をしていると自身の資産のうちどれくらいまでを投資に回して良いのか?いくらの現金を手元に残しておけばよいのか?ということが気になったりすることがあると思います。
世間では支出の3か月分だとか、年収の半年分だとか、年齢と同じ比率にしておく(30歳なら30%)べき、などかなりまちまちな意見があるように思います。
それぞれ何かしらのロジックを組んで、それっぽく説明していますが、個人的にはどれかの説を妄信するのは少し危険で、本人の置かれている状況や投資資産の内容によって変わってくるものではないかと思っています。
この記事では置かれている状況や資産内容を踏まえての現金比率の考え方、また、投資大国と言われているアメリカでの現金、投資比率の考え方についてご紹介したいと思います。
現金比率を考えるうえで重要なこと
総資産における現金比率を考えるうえで重要なのは自身の状況と保有資産の内容となってくると思います。
現金比率について紹介している多くの記事でも自身の状況については言及されており、例えば以下のようなものが考慮されるべきだと書かれていることが多いですよね。
- 年齢
- 収入の有無・安定性
- お金を使う予定の有無
この中で年齢というのはやや分かりにくい部分ですが、一般的に収入が下がり始める年齢や多くのお金が必要となる時期を年齢を基準に算定しているのかなと理解しています。
上記の中でお金を使う予定の有無とありますが、その中でも具体的に考慮すべき点があると個人的には考えています。
現金比率は借入金の有無も考慮すべきではないか
お金を使う予定の有無の中でも、借入金の有無については特に注意すべき点だと思います。
特に住宅ローンの借入金がある場合にはどうしても現金で数か月分のローンが支払えるだけの金額は用意しておきたくなると思います。
借入金は返済が滞ると「期限の利益の喪失」が発生してしまいます。せっかく長期間にわたって低金利で借り入れられているにも関わらず一括返済を求められるようなケースは避けたいですよね。(期限の利益についての詳細は以下サイトを参照ください。)
そういった意味で借入金がある場合には少なくとも1回分の支払いが確実にできる額は口座に残しておくべきだと思います。それ以上過剰に残すのは少しもったいない気もします。
一方で、住宅ローンなどの借入金がない場合、どうしても現金が必要なのにも関わらず相場が悪くて保有証券を売りたくないようなケースでは、正直、借入をしてしまうのも一つの手だと思っています。
最近では保有している株式を担保にお金を借り入れられるサービスなども登場していますので、活用しても良いと思います。
とはいえ、借入には金利が発生するので避けたいというのは投資をしている人の常だと思います。
そういった場合に現金を多く持っているべきか?というと必ずしもそうではないと個人的には考えています。
自身の投資資産の内訳によって換金すべき資産を分けることも可能ではないでしょうか?
保有資産内容による現金比率の考え方
現金が不足した際には資産を売却するというのはごくごく一般的な考えだと思いますが、一方で相場が悪く一時的に評価損が出ていると考えられるケースもあり、そういった状況では資産を換金したくないと考える方が多いと思います。
そのような状況を避けるために現金を多めに保有するのは本末転倒な気がしますので、換金ができるように保有資産は一定の分散をしておくことが重要ではないでしょうか。
投資をしている人の中にはとにかく資産を早く増やしたいと考えて、株式に相当な比率を割いている方もいると思います。(人によっては100%なんて人もいるでしょう)
私の場合は大きく増やすことが主軸ではないので、いくらかリスクを分散しています。
現時点では先進国債券、国内・先進国REIT、日経平均連動、S&P500連動、米国個別株を保有しておりとそれなりに幅広く分散していると思ってます。ここ数年ですべての資産クラスが赤字になったことはない、、、はずです。
これらの資産を基本的には以下の順番で換金するような想定で今のところは考えています。
- 先進国債券
- 国内・先進国REIT
- 米国個別株
- 日経平均連動
- アメリカ指数連動
もちろん、大きく評価損が出てるであったり、個別の事情は考慮しますが、株式指数は一番最後まで残しておく形になると今のところ想定しています。
とはいえ、換金するには手数料が発生するケースがほとんどですので、その辺りは無駄にしないようにするのが良さそうです。
上記の一覧には外貨建てMMFを含めていませんが、当然ながら最優先となるのはこちらの資産となります。外貨建てMMFは一般的には現金同等物として扱われるため、換金対象の資産としては含めていない状態です。
外貨建てMMFについての記事は以下をご覧ください。
投資大国アメリカでは現金比率はどの程度と言われているか?
アメリカではどうなのかな?と単純に私の興味で調べていたことも、ご紹介したいと思います。
以下はU.S. Bankの記事となります。私のポートフォリオのうちどの程度がキャッシュであるべきか?という内容の記事の主要ポイントを引用してきました。
Key takeaways
Cash and cash equivalents can provide liquidity, portfolio stability and emergency funds.
Cash equivalent vehicles include savings, checking and money market accounts, and short-term investments.
A general rule of thumb is that cash and cash equivalents should comprise between 2% and 10% of your portfolio.
出典:What percentage of my portfolio should be in cash? | U.S. Bank
この記事によると2%から10%の間で現金もしくは現金相当資産を保有するのが一般的には推奨されるとされています。とはいえ、短期投資は現金相当資産に入れているので、少し日本とは性質が異なるような気もするにはしますね。
インフレが常に起こっているからなのか?投資大国だからなのか?など細かな理由は分かりませんが、長期投資割合を高く持つことが推奨されているようです。
他の記事では日本と同じように6ヶ月分の生活費を現金で確保するのが最優先などというものがあったり、年齢に応じてという記事もありました。とはいえ、日本語の記事では見かけなかった、現金比率は1割以下にすべきという記事が1番上に出てくるのはアメリカの特徴ではないでしょうか。
まとめ
長々と書きましたが、最終的には給料や予定している収入が1回飛んでしまっても支払いができる金額をキープしておけばよいというのが私の考えです。
給料が1回飛んだなどのケースでは次の支払いまでに換金をすれば間に合うので、シンプルに次の支払を行えるだけの現金があれば、ほとんどのケースでは問題ないと思ってます。
月によっては支払いが多いということもあると思いますが、その際にはそれを見越して月々の収入から少し多めに残すなど調整していく形が投資効率を最大化するうえでは良いのではないでしょうか。
キャッシュフローを明らかにするうえでも、別の記事でも書きましたが、家計管理をざっくりとでもよいのでやっておく必要があります。家計管理の考え方については以下の記事を参照ください。
それでは、また。